OpenAIは8月25日、自社開発推論チップJalapeñoの初期テスト結果を公開した。これは直近72時間の拡張対象となる重要な話題で、8月27日に初めて起きた発表ではない。性能値は主にOpenAI自身の測定であり、独立したチップ評価が完了したわけではない。
OpenAIが公開した数値
OpenAIによれば、GPT-OSS 120B、DeepSeek R1 670B、Kimi K2.5 1Tのテストで、JalapeñoはNVIDIA GB300比でAI work per wattが約1.5~1.9倍、エンドツーエンド遅延が約1.7~3.6倍低かった。インタラクティブなワークロードでは約2.1~4.1倍の性能向上を示したという。
テストにはSemiAnalysis InferenceXを使い、比較対象チップの電力は公開定格で正規化した。OpenAIはJalapeñoの定格消費電力を700Wとしつつ、テストしたワークロードでは持続実測が550W以下だったと説明する。こうした条件が比較結果に直接影響する。
結果をどう読むべきか
第一に、これは企業が公開したファーストパーティーのベンチマークで、独立研究所による全面検証ではない。推論の総遅延、電力あたりの処理量、大規模モデルの提供コストというOpenAIの最適化目標は分かるが、バッチサイズ、入出力長、ソフトウェアスタック、電力の定義で結果は変わり得る。
第二に、Jalapeñoは購入して設置できる消費者向け製品ではなく、一般開発者向けの供給方法や価格も今回示されていない。「勝った」という表現はOpenAIが指定した条件での主張に限られ、すべてのAIワークロードでNVIDIAより速いことを意味しない。
なぜOpenAIは推論チップを自社開発するのか
大規模AIサービスのコストは訓練だけでなく、日々発生する推論リクエストにもかかる。同じ電力でより多く処理する、または同じ処理量で遅延を下げるチップなら、データセンター容量と運用費を改善できる可能性がある。Jalapeñoが電力あたり性能とエンドツーエンド遅延を重視する理由だ。
OpenAIは、JalapeñoがAI支援の設計からテープアウトまで約9カ月だったと説明する。モデルがハードウェア設計に参加できることは示すが、大量生産に入ったことや、設計・検証の全工程をAIが自動化できることを意味しない。
現時点で確認できること
Jalapeñoが注目されるのは、OpenAIがGPUを使うだけのサービス事業者から、推論基盤を設計する側へ踏み出すためだ。ただし現時点で最も正確なのは「OpenAIが自社測定の結果を公開した」という表現であり、幅広いモデル、ソフトウェア、データセンター条件で再現できるかは、さらなる透明なテストと外部検証を待つ必要がある。
