Googleは8月27日、実制作を意識した動画生成アップデートとしてGemini Omni 1.1 Flashを発表した。文章から短い映像を作るだけでなく、既存シーンの延長、始点・終点フレームの指定、低解像度プレビュー、1080pまたは4K出力に対応する。
シーン延長の参照コンテキストを1秒から10秒へ
Omni 1.1のシーン延長は、既存動画の前の文脈を最大10秒分析し、10秒単位で累計40秒まで生成を続けられる。参照範囲が広がれば人物、場所、物語の方向を保ちやすいが、生成モデルである以上、毎回完全な連続性が保証されるわけではない。
GoogleはGemini APIで使えるインタラクションの流れも提供する。前の動画インタラクションを次のリクエストに渡し、シーンの続き方を文章で指定できるため、編集ソフト、絵コンテツール、独自の制作フローに組み込みやすい。
始点・終点フレームでショットを設計しやすく
新バージョンではショットの始点と終点を指定し、その間の連続した動きを生成できる。カメラの回り込み、寄り引き、トランジション、シームレスなループを作りたい制作者にとって、文章だけの指示より従来の絵コンテに近い考え方になる。
最大3秒の動画参照も追加でき、人物や動きに視覚的な文脈を与えられる。参照素材を入れ、目標フレームを指定し、生成するUIに向くが、人物の同一性、動き、画面の連続性は利用者が確認すべきだ。
料金:有料APIティアで提供
このモデルは無料APIではない。Googleの現行料金表では、gemini-omni-1.1-flashは有料のGemini APIティアに掲載されており、入力はテキスト・画像・動画・音声が100万トークンあたり1.50ドル、出力はテキストが9ドル、動画が17.50ドル。無料ティアでは利用できない。
動画出力はトークン単位で課金される。Googleの標準換算では、720p動画1秒あたり5,792出力トークンで、概算は1秒約0.10ドル。公式の出力範囲3〜10秒で計算すると、3秒は約0.30ドル、10秒は約1.00ドルとなる。実際の請求は出力トークン数とアカウントの料金ティアによる。360pの低コストは相対的な説明で、別の固定単価ではない。
360pで試し、4K出力を判断する
Googleによれば、360pプレビューは720pに比べ最大60%高速で、コストは約3分の1。絵コンテやプロンプトの反復に使い、方向性が固まってから1080pや4Kに切り替えることで、未確定の案に予算を使い過ぎずに済む。
Omni 1.1はGoogle AI StudioとGemini Enterprise Agent Platform APIに順次展開され、Google AI Plus、Pro、Ultraの加入者はFlowでも利用できる。サービスごとの提供時期、割当、価格はアカウントと公式文書によるため、発表済みでも全地域で無制限に使えるとは限らない。
動画ツール開発者への意味
Gemini Omni 1.1 Flashの要点は、動画生成を一回限りの出力から組み立て可能な制作フローへ近づけたことだ。延長、始終フレーム、動画参照、低コストプレビュー、4K出力により編集や絵コンテに近い製品を設計できるが、納品前には権利、モデルの制限、連続性、コストを管理する必要がある。
